血管内焼灼術とは?
治療したい静脈の中にカテーテルを挿入して、カテーテルの先端から熱を放出し、血管壁を内側から加熱する治療です。加熱する前に血管の周囲に大量の麻酔液を注入し、焼灼による痛みや周囲の組織のダメージを防ぐ必要があります。血管壁の細胞は、熱によってダメージを受け、死んだ硬い組織となってしばらく残り、1年くらいの時間をかけてゆっくりと吸収されます。
2種類あります
血管内焼灼術で血管を加熱するために使用する機器には大きく二つの系統があります。その熱源としてレーザーを用いるレーザー焼灼術と、高周波を用いる高周波焼灼術です。まず、最も重要な手術成績(手術の成功率とか、再発率とか、副作用とか)はほぼ同じであることがわかっています。ただ、使い勝手は異なります。レーザーはカテーテルの先端からごく狭い範囲に熱を放出します。そして、熱を放出しながらカテーテルを動かすことで、広い範囲に熱を届ける仕組みです。それに対して、高周波は先端の広い範囲を同時に加熱する仕組みとなっており、加熱中はカテーテルを動かさず、一定時間加熱後に次の区間までカテーテルを動かして進みます。
それぞれの特徴
レーザーの利点は、カテーテルを動かす速度を調整することで、部位によって加熱する量を調整できること。実際に静脈瘤の血管は場所によって太さが異なることが多く、それに対して細やかに対応できるのが利点です。その代わり、慣れていない医師が行うと加熱量が不足、過剰となることがあります。逆に高周波の利点は、機械により温度が自動制御されていることで、加熱ユニットに組み込まれた温度センサーが血管内の温度を常に測定し、状態に応じて熱量を調整することで加熱ユニットが一定の温度となります。これは、長い血管を安定して加熱する際に効果を発揮します。ただし、部位によって細かく調整することは不可能です。
このように、それぞれに長所短所がありますから、医療機関によってはレーザーと高周波を症例によって使い分けている場合もあります。私は、細かい作業が好きなのでほぼレーザーを使っています。特に、最近では側枝に対しても血管内焼灼術が適応できるようになり、レーザーの利便性がさらに良くなっています。
山本 崇
やまもと静脈瘤クリニック




