血管内治療とは?
下肢静脈瘤に対する血管内治療は、エコーで観察しながら、血管にカテーテルを挿入し、カテーテルを使って行う手術です。世界では2000年頃から使われ始め、日本では2011年から保険適応となり急速に普及しました。患者さんにとっては、従来の外科的な治療(静脈抜去術)と比べて、痛みや傷などの苦痛が少なく、治療後の生活制限が少ないことがメリットです。そして、メリットは患者さんだけではなく、治療する側にとってもたくさんあります。
メリットがあるのは患者さんだけではありません
なんといっても手術の安定感が優れています。手術に要する時間、手術の結果、合併症、術後経過に関して、患者さん・医療機関ごとの違いが少なくとても安定しています。まず、常にエコー機器で体内部の状態を確認しながら行う手技ですから、解剖学的に誤った処置をする可能性は格段に下がります。そして、外科手術と比べると、求められる技術の種類やレベルが圧倒的に少なく済みますので、医師に求められる水準が下がります。さらには、外科手術と比べると治療で求められる工程数が減ります。工程数が減ると、合併症などのトラブルを生じる確率も下がります。ちなみに、別の項目でも書いていますが、静脈抜去術も極めるとかなり良い結果が得られることがわかっていました。でも、それは特別な修練を積んだものが、特別の環境で行い、格別の集中力を持って行うという限られた条件の下でしか得られず、さらに言うとその条件の下で行っても結果に多少のブレがありました。それに対して、血管内治療は、医師に求められる技術などのハードルが少なく、様々な点で結果が安定しています。完璧な治療では無いかもしれませんが、医療の現場では安定して80点をとれる術式はとても重宝します。
つまり、血管内治療は治療を受ける患者さんから見ても、治療を行う医師から見ても理想的な治療選択なのです。なので、2011年に保険適応となって以後急速に普及し、新型の血管内焼灼デバイスや、血管内塞栓デバイスが次々と承認されて、下肢静脈瘤の治療方法として中心的な存在となっています。
山本 崇
やまもと静脈瘤クリニック




