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治療

2026.04.26

スタブアヴァルジョン Q & A

スタブアヴァルジョンについて、よく皆さん(患者さん、医師)から頂く質問をまとめてみました。

「出血しないの?」 

これは、患者さんだけでなく、医師たちからも頂くことの多い質問です。そして、私自身もこれを導入する時に一番心配したポイントでした。正しくお答えすると出血します。スタブアヴァルジョンは世界中で行われていますので、さまざまな考えや医療システムに応じて、その方法にはかなりの幅があります。中には術後の出血を無くすことを目標に全ての枝分かれを糸で縛りながら行う先生もおられます。その場合はほぼ出血することはありませんが、手術時間がすごく長くなります。私は、側枝に血液を送り込んでいる入り口にしっかりと対処することが重要だと考えています。入り口をしっかりと処理すれば、たとえ太い側枝であっても術後に出血することはほとんどありません。

「痛くないの?」

あれだけ広い範囲の血管を引っ張り出すと言われると、術後の痛みを心配する気持ちはよくわかります。まず、痛みはあります。ダメージを与えた組織が痛くないはずがありません。ただ、その程度は意外と軽いものです。手術当日の夕方から夜にかけて痛みのピークが訪れ、その時には少し疼くので寝辛い方もおられます。でも、一晩寝て翌朝になると意外と痛みは改善し、普通に散歩やお仕事に出かけられる方がほとんどです。なぜでしょう?側枝は皮下脂肪の中にあり、皮下脂肪の神経はあまり敏感では無いことが理由だと考えています。皆さんは術後の痛みで、筋肉痛とか関節痛をイメージされるようです。それらは筋肉や関節のトラブルですから、該当する筋肉や関節が動かされる度に痛みを感じます。しかし、脂肪組織は動くものではありませんから、原則的には動きによる痛みはありません。でも、動くことによって脂肪が揺れると痛みを感じることがわかっており、術後に圧迫を行い動きを減らすことで痛みを減らすことができます。

「取ってしまって大丈夫?」

あれだけの太い血管ですから、それが無くなることに不安を感じる方も多いです。全く問題ありません。太くなっているのは、故障しているからであって、もともとは細い血管です。そして、脚にとっての重要な血流路は筋肉の中にあり、脂肪の中の血管はたとえ正常に機能していても「おまけ」みたいな存在なんです。なので、無くなってしまっても全く問題ありません。

「傷は小さい方がいいの?」

まず、当たり前の話ですが、傷は小さい方が良いです。小さい方が痛みが少なく、傷の治りも早いことがわかっています。なので外科医の世界では、嫌なマウント合戦があります。「俺はこんな小さな傷から手術ができる」、ついでに言うと「俺はこんなに短時間で手術ができる」も挙げておきましょう。かくいう私も昔はこのマウントに取り憑かれていましたから、彼らの気持ちは痛いほどよくわかります。日々、世間の人々が遊んでいる中で、自分だけ病院の中で終わることのない雑用に明け暮れ、だからといって大きな手術を任せてもらえるわけでもない。そのような日々を何年と過ごした後で、やっと手術を任せてもらえるようになって、それが上手くできたんです。すごく自慢したい気持ちは心から理解します。ですが、実はその類の話をしてちゃんと聞いてくれる相手はこの世の中にいません。断言します。パートナーでもダメです。違う業種の人には伝わりません。医療業界の人でも、自分が手術をしない人にはわかりません。だから、みんな同業者に話すのですが、同業者もそんな話を聞きたいわけではありません。話を戻しますね。「傷は小さい方が良い」に取り憑かれている方は多いですが、実際には少し大きめに切ることがあります。なぜでしょう?結果が良いからです。まず、傷を小さくする目的に戻ると、それは痛みや傷の治りを良くすることだったはずです。ですが、小さな傷から無理に大きな血管を引っ張り出すと、傷口の皮膚に大きなダメージが残ります。そして、そのようにダメージを受けた傷はなかなか治らず、後に嫌な色素沈着を残します。そんなことになるくらいなら少し大きめに切って、スムーズに処理できたほうが結果が良くなります。経験を積んだメリットの一つはそのようなマウントから解放されたことです。

山本 崇

やまもと静脈瘤クリニック

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