今のところ、下肢静脈瘤自体を改善する効果が証明された薬はありません。ただし、下肢静脈瘤による症状(例えばこむら返りとか、むくみとか)を和らげる薬はあります。例えば、こむら返りに対しては漢方薬の芍薬甘草湯が効果的である事が広く知られており、内科や整形外科で処方されていることもあります。他にも五苓散はむくみを改善する事がわかっています。
そして、ヨーロッパを中心にvenoactive drugs(正式な日本語訳はありませんが、あえて言うと静脈活性薬)と言われる薬が普及しています。いくつか種類があるのでdrugsと複数形になっています。全体に共通するのは、植物に由来するフラボノイドであることで、静脈壁の収縮・毛細血管透過性の抑制・炎症の抑制などの効果によって末梢静脈の機能を高めます。先ほど説明したように、いずれも静脈瘤自体を治すほどの効果ではありませんが、静脈瘤に伴われる症状を和らげる効果が示されており、国によっては効能として承認されているものもあります。
個人的には、「あり」だと思っています。ただ、現状では、日本で承認されておらず、もし必要であれば海外から個人輸入することになり、安く提供できるものではありません。そして、根本治療に貢献する薬ではありませんので、費用対効果を含めたシビアな判断をするのであれば、わざわざ輸入するほどの価値は見出しにくいのが現状です。
山本 崇
やまもと静脈瘤クリニック
| 成分名 | 主な由来 | 作用のメカニズム |
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MPFF (Diosmin等) |
柑橘類の果皮 |
静脈壁の白血球付着を抑え、炎症を鎮める。最もエビデンスが豊富。 |
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馬栗(ホースチェスナッツ) |
西洋トチノキ |
主成分の「エスシン」が毛細血管の穴を小さくし、漏れ(浮腫)を防ぐ。 |
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赤ブドウ葉エキス |
ブドウの葉 |
フラボノイドの一種「AS195」が血管内皮を保護し、むくみを軽減。 |
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ヘスペリジン |
柑橘類 |
血管強化作用があり、日本でも古くから馴染みがある。 |




