• お役立ちコラム

下肢静脈瘤について

2026.04.26

診察で何を診ているの?

問題は何だろう?

私達が診察を行う際に、下肢静脈瘤だけを診ているわけではありません。私達の仕事は、「患者さんにとって問題となっている症状の原因を究明しその問題を軽減すること」、です。具体的には、エコー検査や診察の結果、さらに患者さんの希望を総合的に検討した上で、患者さんにとって最も利益となるような方針を選びます。もう少し具体的に説明しましょう。

エコー検査

診断の中でもっとも重要で客観的な情報源が静脈エコー検査です。なので、エコー検査結果を軸にして、判断を行います。まず、エコー検査で問題(逆流、閉塞、血栓など)があれば、次はその問題をより詳しく(範囲、程度、新旧など)調べます。このステップがもっとも重要かもしれません。どんな検査であっても検査の結果が100点の人はいませんが、幸い人類の体は賢くできていて、軽い問題があってもその影響を最小限にして共存することができます。私達の仕事は問題を見つけるだけではなく、その問題がどの程度健康に影響を与えるのかを現在と未来にわたって評価することです。静脈の問題が強い場合は、その静脈を治療することで大きな効果が期待できますから、治療をどうするべきか悩む必要はありません。しかし、静脈の問題が軽い場合は、治療を行うべきか難しい判断となります。

逆にエコー検査で特に問題がなければ、訴えている症状に関係なく静脈疾患の心配はありません。その場合は、患者さんが訴えている症状(血管が見えている、だるい、むくむ、かゆい、足が攣る、など)の原因は違うところにあります。その原因は多彩で、生活習慣(長時間の立ち仕事、運動不足)、内科疾患(心臓病、腎臓病、肝臓病、甲状腺疾患、肥満)、整形外科疾患(股関節、膝関節、足関節など)など多方面に及びます。

問題を解決するには?

このように、静脈に問題がなくても様々な原因で脚の症状が出現します。そして、実際にそれらの要件が100点である人は少なく、ほとんどの方は少なくとも生活習慣の問題を抱えていますし、中には複数の要件が重なっている方もおられます。その中で、軽い静脈の故障が発見されたらどうするべきか?明確な答えはありません。だから、患者さんの話をしっかりと聞くのです。どういう病気を持っているのか?、どういう生活をしているか?、何に困っているのか?。会話の中で、治療に対する本人の本音を聞き、本当に望んでいること、本当に悩んでいること、を把握する。そして、その問題に対して行える対処法とその効果について説明し、ゆっくり考えてもらう。

その過程の中で、手術が有効だと判断すれば手術を提案しますが、実際に手術を提案する例は1/3程度です。

山本 崇

やまもと静脈瘤クリニック

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